じし
自死を望むのは何故
母が隣で古紙に出す新聞をまとめている
こんなにも生きる作業をしている人がいるのに、私が自死を望むのは何故
いや、望んでいるのは本当に自死なのか
観念かもしれない
死ぬという観念
それを自分で迎えるという観念
実際、きっと死ぬのは嫌でしょう
もっと疲れ切った時、同じ答えが出るかはわからないけれど
私が祈る朝が来て
絶えず死にゆく夜が来る
朝に白い光が見えたら
きっと私はその日を過ごす
森を見ながらその日を過ごす
何千万もの私の死骸を
忘れて私はその日を過ごす
白い空の、心地よい日に
夜になってもきっと死なずに私は私を優しく労わる
私が自死を望むのは何故
答えのない夜を過ごしている
床の上やら椅子に座って
さも当たり前のような 少し笑った顔をしながら
苦しむ夜を過ごしている
答えもないのに死にたくなるのはきっと答えを知っているから